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掻い摘んで後ろからばっさり(改

エミルクロニクルオンライン クローバーサーバーでうろつく誤爆剣士の腐れ雑記。                                     貴方の「(´_ゝ`)・・・・・・」をお待ちしています。

掻い摘んで後ろからばっさり:心痛を癒す果実(1)

孤児院にいる子は、パパとママがいない子のよ。
だから、リズにパパとママがいないのは、当たり前のよ。

でも、生まれた時には、みんなにも、リズにも、パパとママがいたと思うのよ。
何にも覚えてないけれど。



さあ、お話を始めようか。

誰も知らぬなら私が知ろう。
誰も語らぬなら私が語ろう。

掻い摘んで後ろからばっさりと、
世界のページから切り取られてしまうような、
そんな、何でもないお話だけれど。


 掻い摘んで後ろからばっさり:3-1(リズ)


今よりも少しだけ前のお話です。
翼も、尾も、光輪も持たない人達の世界に、二人の冒険者が居ました。

片やタイタニアの青年。
片やドミニオンの娘。

マリオネストにストライカー、一見不思議な組み合わせ。
しかし、互いが未熟な頃から知る仲だった二人は、よく連れ立って旅に出ます。
共に成長した仲間達が次々と輪を離れていっても、彼等は大抵二人一緒でした。

仲が悪いと思われがちな二つの種族。
それでも、長い時間を気安く共に過ごせるような相手なら、仲も良くなろうと云うもので。
尚且つそれがお互いに、人として好ましいと思うなら。
友情以上の何かが芽生えてしまっても、別段おかしく無いわけで。
だから、そんな彼等が、生涯を共に歩む決心をしたとしても。
おかしい事では無い筈で。

自由なエミルの世界といえど、互いの種族への偏見は、まだまだ根深く残っています。
ただ僅かに友人達からの祝福を受けて、彼等は住み馴れた中央から、ひっそりと姿を消しました。
隠れるように東へ移り、居を構えたのは森の奥。

訪れる者もなくただ二人、獣を狩り、菜園を作り、慎ましやかに過ごす日々。
時折夫が近くの村へ出る他に、何の変わりない生活の中。
十月十日の時間が過ぎて、産まれて来たのは女の子。
父親から継いだ、雪色の羽。
母親から継いだ、薔薇色の髪。
両の目は片方づつ、父親から緑、母親から紅を貰いました。

二人は大層喜んで、彼女の名前にも片方づつ、彼等の名前を与える事にしました。
しかし、ただそれだけでは可哀想です。
二人は暫く考えて、二人の名前に少し足して、彼女の名前に意味を持たせました。
ちょっぴり長い名前ですが、気に入ってくれる事を期待して。

授かったのは、果実の名。
翡翠の葉、薔薇色の実。
この娘は、二人の確かな歩みの証。
どんな悩みも痛みも、彼女が居るから癒される。
両親の心痛を癒す、特効薬。

二人だった彼等は三人になり、静かだった家の中は、途端に騒がしくなりました。
まるで猫の仔のように、みゃあみゃあと声を上げる赤ん坊。
ただ泣く事しか出来ぬ娘を、乳だ睡眠だ排泄だと、息吐く間も無くあやす日々。
嵐のような毎日に、親になるのは大変だねと、心底疲れた声をしながら、それでも浮かんだ笑顔が消える事はありません。

それでも彼等は穏やかに、いつもの暮らしを続けます。
訪れる者もなくただ三人、獣を狩り、菜園を作り。
妻は家に、夫は時折近くの村に。
娘がいつか大人になって、何処かの誰かへ嫁ぐまで。
静かな暮らしを送っていく、はずでした。





「白い狼?」

神妙な顔をする夫に、妻は言いました。

「そんなの、見た事もないわよ」
「こっち側の森じゃないみたいだね。村のもっと東の、ほら」
「あー、あっちねー」

腕の中ですやすやと寝息を立てる娘の頬を、ぷにぷにと突付きながら、妻は眉をしかめます。

「こっち側に居る訳じゃないのなら、あたしたち関係無いんじゃない?」
「そうもいかないよ。現に村の人達は困ってるって言うし、こっち側に移動してこないとも限らないじゃないか」

久しぶりに村へ出た夫の耳に入ったのは、大きな白い狼の話。
夫婦の住む森と、村をはさんで反対側にある森に出没する狼は、日々村人を脅かしていると云います。

下手に刺激しては危険だろう。
狼が何処かへ去るのを待ったほうが良いのでは。
まったく、誰か退治でもしてくれないものか。
それよりも、我等で討伐すべきではないか。
我等の村の一大事、有志を募って討伐隊を。

そんな言葉を耳にする度、彼は居た堪れない気分を覚えました。
一体何を成すべきか。否、本来なら何を成すべきだったのか。
種族としての己の使命も思い出さぬまま、森の中で妻子と三人隠遁生活を送る自分。
総てから逃げ出した罪悪感が、今更になってふつふつと沸いてきます。

それに、もしもこのまま狼が、村を越えて此処まで来たら。
愛する妻にも、産まれて間もない娘にも、何かしらの危険が及ぶのではないか。

「だから、僕も手伝いに行くよ」
「はぁ?アンタに行かせるくらいなら、あたしが行くわよあたしが。あたしのが強いんだからさ」
「確かに君の方が強いのは認めるけど・・・って、この子はどうするんだ?」
「どうするって、狼退治して戻ってくるちょっとの間だけじゃない。アンタが面倒見てくれりゃいーのよ」

話はお互い一方通行。
どうあっても子には母が在るべきだ、という夫と。
子と夫の身を同時に案じ、どうせなら無事に戻れる方を、という妻と。

そうして、夫婦の間で何一つ定まらぬまま、その日はやってきたのでした。



リズ:・・・・・・?

かんな:何だ、まだ起きてんのか。

リズ:起きてたんじゃなくて、起きたのよー

かんな:んなら、とっとと寝直せ。まだ夜中だぞ。

リズ:ん。おやすみなさいのよ。

かんな:ああ、おやすみ。


寝た子が起きてしまったよ。
続きは・・・そうだね。またアナタが眠った時にでも。

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  1. 2009/04/28(火) 12:39:46|
  2. 小噺
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Author:黐茅日華


マイナージャンルに走りがちな、頭の固い場末の同人屋。
書いたり描いたり塗ったり縫ったり、ノリと勢いで色々と。
ECO四葉鯖にて温いRPしたりニコ厨したり東方したり。


えrg二次にうっかり手を出す→

メーカーがBL始めて片脚入る→

いつの間にか此処に至る。



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