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掻い摘んで後ろからばっさり(改

エミルクロニクルオンライン クローバーサーバーでうろつく誤爆剣士の腐れ雑記。                                     貴方の「(´_ゝ`)・・・・・・」をお待ちしています。

掻い摘んで後ろからばっさり:「Selen」(4)

『次元侵略者』なんて代物がいるらしいです。
ほら、光の塔とかマイマイ遺跡とかにいる、DEM。
ああいうやつですよ。
あの連中は、次元を超えて「この世界」を侵略しに来た人達なのだそうです。

それでは、皆さんに質問です。

私達のいるこの世界。
貴方達のいるこの世界。

作り物だと思っていた私達の世界が、実は貴方達の世界と、何処かで繋がっているかもしれない。
そんな事を考えたことは、ありませんか?

・・・・・・・・・・・・って、何ですかこの内容。
誰に話してるんですか、私。


さあ、お話の続きを始めようか。


掻い摘んで後ろからばっさり:2-4(セレン)



「貴女、歌は好き?」

セレンディピティの質問に、セレンは当たり前のように答えました。

「好きですよ」

セレンにとって、謳は今の自分の総てです。
人を、自分を、世界を、己の心を映して紡ぎ奏でる。
自己表現を知らなかったセレンには、謳こそが世界と自分を繋ぐ唯一の方法です。

「じゃあ、セレン。もし、"謳が力になる世界"なんて物があったら、素敵だと思う?」
「え・・・」

セレンディピティは、セレンに沢山の事を教えてくれました。

エミルの世界。
タイタニアの世界。
ドミニオンの世界。

しかし、彼女の教えてくれた世界の中には、そんな物はありません。

「・・・そんな世界が、ある訳・・・・・」
「そうね。確証は無いわ。この話自体も、一部の冒険者の間で流れた噂でしかない。・・・でも」

そこまで言って、セレンディピティは短い歌の一節を謳いました。

「この言葉は、私のオリジナルじゃないの。・・・それなのに、現段階で行き来できるとされる三つの世界の中で、この言葉を使っている世界は、何処にも無い」
「え、だって・・・エミルかタイタニアの世界の、古い言葉、とかじゃ・・・」
「ないわね」

どこか悔しそうな声で、彼女は続けます。

「タイタニアの世界には、そんな言語は無いらしいわ。この言語を発見したエミルの世界にも、こんな言葉があった記録も噂も無い。・・・そして」

真っ直ぐにセレンを見つめるのは、赤い眼。

「この、ドミニオンの世界にも、無かった」

そうして、漸くセレンにも解りました。

先ず。

何故、セレンディピティはこの世界にいるのか。

「つまり、その言葉は・・・」
「・・・"謳が力になる世界"の言葉、とされていた言葉、ね」
「レンディは・・・"謳が力になる世界"を探して、此処に来たのですね」
「ええ。・・・かなり無茶したわー。という訳で、移動方法は秘密」

何故、セレンに出会うことができたのか。

「タイタニアは、ドミニオンと仲が悪いのでしたか」
「翼は巧いこと隠したんだけど、下手をして光輪を見られちゃったのよね。散々追い回されたわ」
「そこでたまたま、セレンと会った?」
「そう言う事になるわね」

何故、セレンディピティの瞳は紅いのか。

「貴女が此処に閉じ込められていたのは、好都合だと思ったわ。・・・何も知らない、何も語らない、隠された子」
「何も知らない子供なら、タイタニアを見ても密告しないと思いましたか?」
「最初はそのつもり、だったんだけどね。・・・・・・貴女に、歌を教えてあげたくなっちゃって」

何故、セレンディピティの髪は紅いのか。

「私はね、セレン。エミルの世界で産まれたの。冒険者として一人で立てるような年齢に達するまで、ずっと家に隠されて、ね」
「・・・え」
「亡くなった父が言ってたわ。私の髪も、瞳も・・・ドミニオンの母に、そっくりだって」
「混ざり物・・・なのですか・・・」
「そうね」

自嘲するような笑みを浮かべて、セレンディピティはセレンの紫色の髪を撫でながら云いました。

「私が産まれてからすぐに、母は亡くなったそうよ。・・・死因は知らないけど、然るべき団体に狩られた、のかもね」
「・・・・・・」
「父は翼と光輪のある私を捨てはしなかったけれど、純粋なタイタニアとしての自分から逃げる事もできなかったのね。ずっと私に言い続けてたわ。・・・お前の目が、髪が、赤くなかったら、って」

そうして、セレンディピティは閉じ込められました。
それは、禁忌とされる異種族間での愛の形を、粛清の刃から護るためではなく。

単に、父が狩られぬように。
単に、父がタイタニア達の目に晒されないように。

愛したはずの妻との間に出来た娘を厭い。

"ドミニオンのようなみっともない"赤い色をしたセレンディピティが、人々の目に晒されないように。

 それは、まるで。
 "セレン"と同じではないか―――

「出生を誤魔化して中央に出て、冒険者として保護と保障を受けられるまで・・・父が亡くなるまで、狭い部屋しか無い世界で、ずっと歌を謳ってたわ」
「・・・何故、歌なのですか?」

訝しげな顔で首を傾げてみせるセレンに、セレンディピティはにこりと笑ってみせました。

「歌はね、セレン。とても初歩的な、人の祈りの形なの」

声を以て天へ楽す。
意思を伝えるその口で、旋律に乗せる祈りの言葉。

「祈りは歌に、歌は空気に。私の歌は世界に溶ける。私の祈りは空気に溶ける」

声を以て汝へ楽す。
意思を伝えぬその口が、旋律に乗せる己の想い。

「真摯な祈りは心を癒す。人を潤す。自分自身の、他人の力になれる」

声を以て我へ楽す。
意思を伝えるこの口で、旋律に乗せる貴女への言葉。

「この世界に滞在していたのは、貴女に歌を教えたかったから」

動けぬ身体に代わって自由になる祈りを、自由の翼に代わる歌を。
黒い翼の、もう一人の私に。

「・・・謳が力になる世界、なんてものがあったら・・・それはきっと、とても心の潤った人々の世界だと思ったの」

自己満足なんだけれど、と、彼女は笑います。

根拠など無くて。
確信なんて持てなくて。
その祈りが、本当は他人を傷つける為の何かでも。

それでも、自分の縋った祈りの形は、世界を超えても希望であってほしいと。

「そんな訳で・・・この言葉を使うのは、私の小さかった世界を忘れない為。夢に見た世界を忘れない為。・・・これで、良いかしら?」

そうして、セレンディピティは口を噤みました。
セレンは、ただただ彼女の言葉を、頭の中で繰り返すだけ。
ある程度の知識を蓄えたとはいえど、まだ「子供」のセレンには理解のできない話だったのです。

「・・・まぁ、解らなくてもいいわ」

首を傾げるセレンに苦笑して、セレンディピティは再び彼女の頭を撫でました。

「レンディは・・・いつかまた、その世界を探しに行くのですか?」

頭を撫でられながら、ぽつりと呟いたセレンに、彼女は面食らったように一つ二つと瞬きをします。

「・・・そうね、いつか、探しに行くわね」

暫く間を置いて、静かに呟いた声に、セレンは胸の辺りがきゅっと締め付けられるような気分になりました。
産まれて10年以上、滅多に感じる事の無かった「寂しい」に、ただ俯く事しかできなかったのです。
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  1. 2008/05/12(月) 16:24:37|
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Author:黐茅日華


マイナージャンルに走りがちな、頭の固い場末の同人屋。
書いたり描いたり塗ったり縫ったり、ノリと勢いで色々と。
ECO四葉鯖にて温いRPしたりニコ厨したり東方したり。


えrg二次にうっかり手を出す→

メーカーがBL始めて片脚入る→

いつの間にか此処に至る。



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