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掻い摘んで後ろからばっさり(改

エミルクロニクルオンライン クローバーサーバーでうろつく誤爆剣士の腐れ雑記。                                     貴方の「(´_ゝ`)・・・・・・」をお待ちしています。

掻い摘んで後ろからばっさり:心痛を癒す果実(2)

そのもりには、こわいこわいおおかみがすんでいまして、
あるむらでは、こわいこわいおおかみをたおそうとして、
なんにんもが、こわいこわいおおかみにたべられまして、
そのおとこは、こわいこわいおおかみをたおそうとして、
かえりうちに、こわいこわいおおかみにたべられました。

そうしてこの森には、男の妻と、その幼い娘が残されたのでした。

「なんだかよくわからないけど、こわいおはなしのね。」



さあ、お話の続きを始めようか。


暗い暗い、森の中。
金の毛並みをばさばさと靡かせて、一体のゴーレムが走っていました。
炎を纏うその身の、首から肩を覆う緑のケープには、赤茶けた大きな染みが散っています。
随分と耐久の減った、今にも止まってしまいそうなボロボロの器。
それでもゴーレムはしっかりとした足取りで、湿った土を踏みしめて、奥へ奥へと駆けて行きました。

来る人も無い森の中。
目指す先には、小さな家。

扉の前に駆け寄って、慌しく扉を叩くと、ゴーレムは嗄れたような声で叫びます。

「奥様!奥様・・・!」
「あぁもう、夜中にやかましいわね!・・・誰よ、アンタ」

喧しいその音に、やっと夜泣きを収めて眠った娘が目を覚ましてしまうのではと。
ドミニオンの女性は扉の外の来訪者に苛立った声を掛けました。

「私です、旦那様の、・・・サラマンドラです」

夫の名を耳にして、彼女は慌てて扉を開けました。
その朝、目を覚ました時には既に居らず、通信にもメールにも反応しない夫に、やきもきしていた処だったのです。
しかし乳飲み子を抱えてあまり遠くを探しに出る事も出来ず、不在のうちに戻ってくるかもしれないと、この時間まで動けずにいたのでした。

「ちょっと、何やってんのよアンタ達!いきなりふらっと居なくなって・・・・・・あれ?」

しかし、怒声と共に開いた扉のその向こうには、居る筈だと思っていた夫の姿はありません。

「奥様、あの」
「どうしたの。そんなボロボロで。・・・って、アンタだけ?ウチのバカは?」

訝しげに首をかしげた彼女の前で、サラマンドラはおずおずと口を開きます。

「・・・旦那様、は。・・・その」

暫く口ごもって、サラマンドラは、小さな声で彼女に告げました。

「・・・・・・・・・大きな獣と戦って、・・・亡くなられました」

小さな小さな、静かな声で。
苦いものをこらえる様な、そんな声を聞いて、くらりと地面が揺らいだような、そんな感覚の後。
すっと全身が冷えていくのと同時に、彼女の目の前が、暗く沈んでいきました。
遠くの方で、サラマンドラの声がしますが、何も応えられません。
暖かい何かに、傾ぐ背を支えられるのを感じながら、彼女の意識は閉じたのでした。



「・・・そう。例の狼と戦いに行ったのね」

椅子の上に体を丸めるように座って、愛する夫の散り際を聞きながら、彼女は瞼の上に片手を当てました。

どうして黙って行ったのか、と。
どうして独りで逝ったのか、と。
どうして自分を残したのか、と。
どうして娘を残して逝くか、と。
どうして。
どうして。

問いたい事も、怒りたい事もあるのに、既に夫は居ないのです。
憤慨と喪失感から開いた口からは、しかし罵声も泣声も出てきません。

「奥様・・・」

床へと蹲るようにして座ったサラマンドラが、そっと手を伸ばして、彼女の空いた手を取りました。

「あの獣は、この森に向かってくるだろうと、旦那様は仰ったのです」
「・・・・・・なんでよ」

人形なのに暖かい、と、握られた指の先が温まっていくのを感じながら、彼女は小さく聞き返します。

「東の森の獣は、もう粗方荒らしつくされていたようです。大きな動物の気配は殆どありませんでした」

サラマンドラは、ただ静かに説明を続けていきます。

「森に入った村人を襲うほど、切羽詰っていたようです。・・・村人が襲われては、と仰ってはいましたが」

そうして彼の残した「子」は、彼の本音をただ語りました。

「村人が襲われたら、森に足りない物が手に入らない。村を越えて此方の森に来たら、家族が危ない」

皆を平等に救いたかったのではないのだと。
ただ自分の大切な物が危険に晒されてはと、彼は出ていったのだと。
彼女は、声を絞るようにして、サラマンドラに言いました。

「それがバカだって言うのよ。それで何?結局死んじゃったじゃない。復活の騎士も間に合わなかったくらいあっさり死んじゃったんんじゃない。弱っちい癖に変な頑張り方しようとするからよ」

ぽろぽろと涙を落としながら、彼女はもう居ない夫を詰ります。

「そこまで私達が大事なら、何で皆で逃げようって、云わなかったの・・・・・・」

母の嘆くのを察したか、すやすやと眠っていた娘が、揺籠の中で泣き始めます。
涙でぐしゃぐしゃになった顔で娘を抱き上げ、あやしながら、彼女は涙を止められません。

「・・・奥様、」

サラマンドラが、赤子を預かりながら彼女に言います。

「・・・お悲しみの処に申し訳ないのですが、数日のうちに、此方を離れましょう。手負いの狼が、此方に来ないとも限りません」
「だって・・・準備が、それに・・・何処に行ったら・・・」
「まず中央に向かいましょう。旦那様がアクロニアに蓄えを残されているそうです。証紙類は旦那様の書棚に纏めてあると」
「・・・あの人の、弔いが」
「・・・旦那様は、村の墓地へ葬られる事になっております」

自由になった両手で、ただ顔を覆うだけの彼女に、サラマンドラは頭を垂れました。

「奥様。・・・旦那様は、私にお二人を託されました。私も直に故障します。・・・主の最後の命を、全うさせては頂けませんか」

それから、数刻。
再び泣き出した娘の声に、彼女はただ顔を覆っていた手を漸くはずしました。
赤く腫れた目を擦って、ゆっくりとサラマンドラの腕から娘を抱き上げます。
むずかる赤子をあやしながら、彼女は呟きました。

「・・・行こうか、アクロニアへ」




リズ:・・・・・・?

かんな:よお、おはよ。

リズ:・・・? あさ・・・?

かんな:朝っつか、夜明けっつか。もうちっと寝てて良いぞ。

リズ:ううん、おひさまがでるなら、もうおきるのよー。

かんな:そか。したら私はちょっと寝るわ。朝飯、要らんから。

リズ:・・・かんなちゃんは、おつきさまといっしょにねるのね・・・


寝た子が起きてしまったよ。
続きは・・・そうだね。またアナタが眠った時にでも。
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  1. 2012/04/14(土) 02:23:16|
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まとめ【掻い摘んで後ろからば】

そのもりには、こわいこわいおおかみがすんでいまして、あるむらでは、こわいこわいおおかみをたおそうと
  1. 2012/11/03(土) 10:36:58 |
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プロフィール

黐茅日華

Author:黐茅日華


マイナージャンルに走りがちな、頭の固い場末の同人屋。
書いたり描いたり塗ったり縫ったり、ノリと勢いで色々と。
ECO四葉鯖にて温いRPしたりニコ厨したり東方したり。


えrg二次にうっかり手を出す→

メーカーがBL始めて片脚入る→

いつの間にか此処に至る。



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